「コットンの日」である5月10日、日本財団ビルにて、コットンCSRサミット2011が行われました。平日の日中にも関わらず97名もの方にご参加いただきました。オーガニックコットン業界を代表する豪華なゲストによるご自身の経験を踏まえたご発表や各立場から意見をぶつけ合う熱いディスカッションで会場は大いに盛り上がりました。

セッション1 取り組み事例① 人と地球にやさしいコットンを目指して
【登壇者】
中村 延靖 伊藤忠商事株式会社
江良 慶介 株式会社クルック
細川 秀和 リー・ジャパン株式会社
オーガニックコットンとは、化学肥料を3年間使わなかった土地で作られたコットンをさします。しかし、移行をする3年間は農家の収入は減ってしまうため、農家への経済的支援を行い、移行を応援する「プレオーガニックコットンプログラム」の説明がかわいらしいオリジナル映像とともに紹介されました。いかにして消費者にオーガニックコットンを買ってもらうかという議論では、魅力ある商品を作ることはもちろん、戦略的な宣伝・広報の重要性も挙げられました。その例として、Mr.Childrenのファン向けにオーガニックコットンを用いたTシャツを販売し成功を収めたという報告もありました。
セッション1 取り組み事例② オーガニックコットンの生産支援とその仕組み
【登壇者】
葛西 龍也 株式会社フェリシモ
溝口 量久 豊島株式会社
山口 真奈美 株式会社コントロールユニオンジャパン
葛西氏より製品代金の一部を基金とし、そのお金でコットン生産を支援する農家を経済活動に巻き込んだプロジェクトの紹介がありました。また溝口氏からは、繊維専門商社として安心して農家にコットンを作ってもらうには適切な機関からの認証を受けお墨付きを得ることが何より大切であるというお話がありました。コットンの認証機関は各国で定められた基準に沿って最低年1回現地を訪問し、生産・加工流通の過程を評価している機関のことだそうです。アパレル、商社、認証機関と、全く異なる専門性を持ちながらも、現地の農家が安心してコットン作りを行える環境を整えるために三者が手を取り合って活動していることがわかりました。

セッション2 製品のCSR価値を高めるNGOとの新しい協働
【登壇者】
渡邉 清孝 (特活)ハンガー・フリー・ワールド
白木 朋子 (特活)ACE
細川 秀和 リー・ジャパン株式会社
成田 由香子 (特活)ACE
黒田 かをり CSOネットワーク
黒田氏より企業活動を行う上で人権に配慮しなければならい旨を定めたジョン・ラギーフレームワークという最新情報をご紹介いただき、世界の潮流を学びました。ACEスタッフからはインドのコットン生産地域での子ども支援プロジェクトの報告や企業が児童労働のない物作りをしているか点検をするCSRレビューを紹介しました。
その後、細川氏、渡邉両氏より、時には喧嘩しながらも意見をぶつけ合いお互いの強みを生かして協働するに至ったというリアルな体験談が語られました。会場から「企業はCSR活動をすることで儲かるのか?持続性はあるのか?」といった単刀直入な質問もありましたが、実際に利益を上げているという説明に加え、更に利益を上げるために企業・NGO・学生といった様々なアクターが関わり知恵を出し合う必要があることが語られました。

セッション3 製品、市場とバリューチェーン全体を考える
【登壇者】
稲垣 貢哉 興和株式会社
近藤 健一 大正紡績株式会社
池内 計司 池内タオル株式会社
渡邊 智恵子 株式会社アバンティ
篠 健司 パタゴニア日本支社
セッション3では、長年にわたりコットンの生産や販売、商品の作製に携わってこられた方々にご登壇いただきました。世界中のコットン畑を渡り歩く中でオーガニックコットンは人を幸せにすると実感したというお話や環境への負荷を低くするための工夫をする中でオーガニックコットンにたどり着いたというお話は、長く深くコットンに関わっている方であるからこそ説得力があり、会場一同聞き入ってしまいました。

オーガニックコットンを通じて東日本大震災の被災地での雇用促進や復興のお手伝いをし、みんなで日本を盛り上げていこうという決意のもと閉会となりました。
コットンへのあふれんばかりの想いと情熱に圧倒され時間があっという間に過ぎてしまいました。閉会後の懇親会でも熱気は冷めず、質問者も後を絶ちませんでした。ご登壇下さったみなさま、参加者のみなさま、本当にありがとうございました。 (ACEインターン 岡本)