児童労働とは


児童労働とは、義務教育を妨げる労働や法律で禁止されている18歳未満の危険で有害な労働のことです。2025年時点で、世界では1億3800万人が児童労働に従事し、世界の子どもの13人に1人が働いている計算になります。

【国】バングラデシュ
【ストーリー】バングラデシュでは他人の家で家事労働に従事する「家事使用人」として働く少女が数十万人いると言われています。1日中家の中で働く彼女たちは外部から発見されにくく「隠された児童労働」とも呼ばれています。
写真提供:認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会

【国】インド
【ストーリー】ポテトチップス製造会社にじゃがいもを供給している農場で、15歳未満の子どもたちが、じゃがいもの選別や等級分けの作業に従事しています。グジャラート農業労働組合(GALU)の担当者が、農場を監視しています。
写真提供:国際食品労連アジア太平洋地域組織(IUF-AP)​​

児童労働について知る

世界の5-17才の子どもの13人に1人が児童労働者

世界の5-17才の子どもの13人に1人が児童労働者2025年現在、世界では1億3800万人が児童労働に従事し、世界の子どもの13人に1人が働いている計算になります。みんなで児童労働ゼロを目指し、一緒にアクションを起こしましょう!

児童労働はどの地域に多いの?

地域別の子ども人口に占める割合

世界の児童労働者の3分の2にあたる約8,700万人がサハラ以南のアフリカにいます。一方、アジア・太平洋地域では、2020年以降、地域別の割合が5.6%から3.1%へと減少しました。ラテンアメリカ・カリブ海地域でも、同地域比較で8%、総数に対しては11%減少しました。減少傾向は見られますが、児童労働をなくすためには引き続きアクションを広げていきましょう!

どの産業で一番多く働いているの?
(児童労働の産業別人数)

ILOとUNICEFの最新報告によると、児童労働者の約61%が農業に従事しており、次いで家事労働や市場での商品販売などのサービス業が27%、鉱業や製造業などの工業が13%を占めています。特にサハラ以南のアフリカでは、児童労働に従事する子どもの約70%が農業に従事しています。

産業別の児童労働者数

世界の児童労働者数と子ども人口に占める割合の推移

世界の児童労働者数と子ども人口に占める割合の推移

2025年6月、ILO・UNICEFが児童労働の新推計を発表しました。新推計によると、世界では約1億3,800万人の子どもが児童労働に従事しており、全児童の約8%にのぼります。2021年の1億6,000万人からは2,200万人以上減少したものの、2025年の撤廃目標には届かず、依然として5,400万人が危険で有害な労働に従事しています。世界にいるすべての子どもが働くことなく学べる未来をつくるために、引き続き取り組んでいきましょう!

年齢・性別でみる児童労働の実態

児童労働者の57%は5~11歳の子どもたちです。2020年にはこの年齢層で増加傾向が見られましたが、現在は12~14歳、15~17歳を含むすべての年齢層で児童労働者数が減少しています。どの年齢層でも、女児より男児のほうが児童労働に巻き込まれやすい傾向があります。ただし、無償の家事労働を含めた統計では、女児のほうが多く児童労働に従事していることが明らかになっています。

児童労働撤廃に向けた進捗と今後の課題

2000年以降、児童労働者数は世界で約2億4,600万人から1億3,800万人へと減少し、約半分になりました。しかし、現在のペースでは、国際社会が掲げる「2025年までに児童労働を撤廃する」という目標の達成は極めて困難です。この目標を達成するためには、今後5年間で現在の11倍のスピードで取り組みを進める必要があると報告されており、社会全体で取り組みを一層強化することが求められています。