【6/10】児童労働反対世界デー『ぼくは5歳で兵士になった ~元子ども兵士が語る最悪の児童労働~』開催報告

集合写真
集合写真 (c)Takehisa Goto

6月10日(日)にイベントを開催しました。

時間:13時30分~17時20分
場所:文京学院大学仁愛ホール(文京区向丘)
主催:NGO-労働組合国際協働フォーラム、児童労働ネットワーク(CL-Net)、国際労働機関(ILO)駐日事務所
来場者数:478名<過去最多!>
Ustram中継視聴者数:126名
スタッフ総数:60名

6月12日の児童労働反対世界デーに合わせて、NGO-労働組合国際協働フォーラム、児童労働ネットワーク(CL-Net)、国際労働機関(ILO)駐日事務所は、例年シンポジウムを3者で共同開催しています。2012年のILOが定めた児童労働反対世界デーのテーマは、「人権と社会正義」。そこで今年は、人権・社会正義に著しく反するものであるとして子ども兵士に着目し、子どもの権利という観点から児童労働について考えていきました。

JANIC事務局長 山口
JANIC事務局長 山口

まずは主催者を代表して、JANIC事務局長の山口誠司より挨拶を行いました。このイベントを通じて自分にできることを考えてもらい、他のイベントにもぜひ足を運んでもらいたいという趣旨のものでした。

コンゴの現状をわかりやすく伝えてくれたアクションキッズ
コンゴの現状をわかりやすく伝えてくれたアクションキッズ

第1部は昨年に引き続き、(特活)フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)のアクションキッズによる児童労働の演劇から始まりました。「コンゴの戦う子どもたち」のタイトルで、小学生から高校生までのアクションキッズが、コンゴの子どもたちの置かれている状況をとても迫真ある演技で伝えてくれました。日本の高校生がコンゴの子どもたちのためにアクションを実際に起こす姿は、私たちにもできることがあるというメッセージを伝えてくれ、とても心に響くものでした。

素晴らしい講演をされたミシェルさん
素晴らしい講演をされたミシェルさん

わかりやすく通訳いただいたフェイスさん
わかりやすく通訳いただいたフェイスさん

続く基調講演として、5歳で子ども兵士となったミシェル・チクワニネさんのスピーチをいただきました。元子ども兵士という暗さを感じさせず、時には会場を笑いで包みながらも、何かずっしりと重いものを感じさせる素晴らしい講演だったと思います。思い出すことも辛いであろう自らの経験を語ってくれただけでなく、最後にはわたしたちにできることとして3つのヒントをくださいました。

『1.Learn More 調べよう! 自分が情熱の持てることをもっと調べてみよう。
2.Volunteer on a trip スタツアに参加しよう! 自分の目で、肌で、実際に感じてみよう。
3.Help make a difference 世界を変える助けをしよう!さまざまな活動に参加してみよう。』

■登壇者発表資料
ミシェル・チクワニネさん「子ども兵士から子どもの権利活動家へ」(英語/English)

休憩時間には、参加者のみなさまにご協力をいただき、「STOP CHILD LABOUR」のパネルと共に記念写真撮影を行いました。撮影した写真は、児童労働に反対する日本の声として国内外に向けて発信していく予定です。ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

ILO駐日代表 上岡氏
ILO駐日代表 上岡氏

第2部では、国際労働機関(ILO)駐日代表・上岡恵子より世界の児童労働の現状についての報告やILOの取り組みを紹介いただきました。

■登壇者発表資料
上岡恵子/国際労働機関(ILO)駐日代表「報告:世界の児童の現状」

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

続く最後のセッションとして、パネルディスカッション「子どもの権利が守られる世界を目指して」を行いました。パネリストは(公社)アムネスティ・インターナショナル日本より谷口玲子、国連児童基金(UNICEF)東京事務所より山口郁子氏、(特活)テラ・ルネッサンスより鬼丸昌也氏を招き、モデレーターはCL-Net代表の堀内光子がつとめ、それぞれの立場から見た児童労働、児童労働問題への取り組み例などを紹介していただきました。中でも鬼丸氏からの「問題はみんなが問題だと思わない限り、問題にならないのです。だから私たちはこの現実を周りに伝えなければいけないのです。」というメッセージは、わたしたちにまず出来ることを示唆いただいたように思います。

■登壇者発表資料
堀内光子/児童労働ネットワーク(CL-Net) 代表 “導入”
谷口玲子/(公社)アムネスティ・インターナショナル日本 渉外担当「子ども兵士と私たち」
山口郁子氏/国連児童基金(UNICEF)東京事務所 副代表「児童労働とユニセフの取り組み」
鬼丸昌也氏/(特活)テラ・ルネッサンス 理事・創設者「ぼくは13歳 職業、兵士 ~ウガンダの元子ども兵士が教えてくれたこと~」

質疑応答の様子
質疑応答の様子

会場のみなさまから寄せられたたくさんの質問にも答えていただき、活発な議論の場となりました。最後はミシェルさんが父親から贈られた素敵なお言葉とともに締めくくられました。とても考えさせられる言葉でしたので、ご紹介します。
『人はお金をいくら稼いだかではなく、他の人のために、どれだけ、何をしたかが大事だ。だからみんなも他の人のために立ち上がってほしい。』

質疑応答の様子
右から大間知、川下、岩附

最後に閉会にあたって、ILO駐日事務所より大間知久美子、NGO-労働組合国際協働フォーラムより自動車総連の川下明子、CL-Netより岩附由香の三名から挨拶してイベントを振り返り、今後わたしたちに出来ることを改めてお伝えしました。

会場ロビーでは、NGOを中心とした13団体がブースを出展し、児童労働をなくすためにどのような活動をしているのか、ご来場いただいたみなさんに直接ご紹介しました。会場前、休憩中、会場後のロビーはとてもにぎやかで、あちこちで活発なコミュニケーションがもたれていました。またロビーに設けた署名スペースでは、「世界から児童労働をなくそう!署名」へ多くの方に署名をいただきました。

大盛況だったNGO紹介ブースの様子
大盛況だったNGO紹介ブースの様子
たくさんの方から署名が集まりました
たくさんの方から署名が集まりました
来場者と丁寧にお話しする鬼丸さん
来場者と丁寧にお話しする鬼丸さん
来場者のみなさんと交流するミシェルさん
来場者のみなさんと交流するミシェルさん

当日、会場まで足を運んでいただいたみなさま、誠にありがとうございました。このイベントがみなさまにとって、児童労働を知るきっかけや、何か行動してみようと思うきっかけになっていれば幸いです。

(梅村 早紀 / ACEインターン)

当日の映像

Ustream中継

今年はUstreamでウェブ中継も行いました。当日参加できなかったみなさまも、ぜひご覧ください!

Video streaming by Ustream Video streaming by Ustream Video streaming by Ustream

 

ダイジェスト版

 

ミシェルさんの基調講演